ツーリングレポート

千円高速九州ツーリング+九州大規模林道探索 PART4

〜空野トンネルと大規模林道 宇目須木線 日之影・南郷区間を行く〜

訪問日:2010年3月13・14・15日  掲載日:2010年5月15日

本日のルート図

早朝阿蘇を出発して五家荘を通過し人吉盆地へ降りてきました。
次はR219で宮崎県に入り、ひむか神話街道の一部、空野トンネルを目指します。

R219
国道219号線で宮崎県へ向かいます。
国道219号線は熊本県の人吉から西米良村、西都市を経由して宮崎に向かう準幹線国道ですが、人吉〜宮崎のメインルートはR268となっているため、こちらの交通量は少なめ。その割にはいい道です。
熊本県側は凄い改良が施されていました。橋梁で繋いで山奥へと入っていきます。
トンネルを抜けると宮崎県です。
山間部でも暖か。桜も咲いていました。冬枯れてないのが宮崎県らしいですね。

さて、人吉でのキャンプ泊は見送ってしまいましたが、次のキャンプ候補地が西米良村の双子キャンプ場です。出発前にココのHPをチェックしたら通年営業となっていました。九州といえど冬季営業するキャンプ場は少ないので、助かりますね。
 
国道を走っていると見える西米良村の「かりこぼうず大橋」。日本一の木造車道橋だそうです。この橋の近くの対岸に双子キャンプ場があります。日帰り温泉も至近で良さそうな感じ。
この先ルート上に下調べしてあるキャンプ場はありません。阿蘇なら知ってるキャンプ場ありますが今から向かうと深夜になってしまいます。どう考えてもここで一泊すべき。

・・・なんですが、今日中に高速乗れば千円ですよ!奥さん!!という囁きに唆されて、悩みつつも通り過ぎてしまいました。

どうするんだ俺w
いやぁ、なんか3月って感じがしないですねー。暖かくて気持ちがいいです。高速代の事は忘れて、とりあえず走りましょう。
一部狭いですが、交通量少なめで、いい感じの道が続きます。このまま南下して宮崎の海岸線、日南フェニックスラインでも走ったら最高のツーリングになりそうです。

が、今回のツーリングのテーマは「未知の道探求」
てことで、この交差点を左折して「ひむか神話街道」に入ります。(ツーリングマップルP44I5)
ひむか神話街道へ  
宮崎市内を走っていると「ひむか神話街道」の標識をよく目にします。曲がらなければいけない交差点全てに標識が出てるのでルート辿るのはらくちんです。

では宮崎県イチオシの観光ルート「ひむか神話街道」とはいったいどういう道なのでしょうか?


宮崎県の観光ページより引用。

写真の左側の剣は高千穂山の頂きに立つ天の逆鉾ですね。真ん中の写真は多分、西都の都萬神社(つまじんじゃ)、天孫降臨した尊ニニギと結婚したコノハナサクヤヒメを祀る神社です。右側の像は?よくわかりません。コノハナサクヤ姫かな?

日向には沢山の神話が形として残っています

宮崎といえば神話と伝承の国です。天孫降臨でニニギノミコトが降り立った「日向三代」の地、沢山の神話と伝説が残っています。古代史と神話好きなら卒倒しそうです。
ひむか神話街道はその伝承の地を巡るよう設定された観光ルートです。

このあたりについては、歴史と神話の旅として次回じっくり取り組みたいと思っているわけですが、今回は時間が無いので走るだけです。歴史編はまた後日・・・。

という訳で、今回は道編です。

ひむか神話街道のルートを地図上で見ると、なかなか凄い所を走っています。特に空野トンネルの前後の区間は国道でも県道でも無いので、ツーリングマップルだとマトモに描かれていません。もし訪れるなら事前に宮崎県の観光ページとマップルを照合して道を確認しておく必要があります。
グーグルマップで見ると道の痕跡すらありません。空野トンネルって地図にも載らない小さなトンネルなんでしょうか?
国道を左折すると、いきなり新しい大型トンネルがありました。案内図で狭小離合困難とあった区間ですが見事に解消されていました。宮崎県の本気を感じますね。
すぐに道は細くなってしまいましたが、観光路線として整備したらしく舗装状態は良好。どんどん山奥へと入っていきます。


普通の観光客なら不安になってしまうような山奥ですが、立派な標識が随所に立っています。
九州山地らしい山並み
交通量は僅かですが、一応数分に一台程度は観光客と思しき車の通りがありました。夏休み期間などはドライブの車が多いかもしれません。
前方に巨大トンネル口が現れました。
空野トンネルです。想像以上に立派です。まさか照明まで点いているとは。(ツーリングマップル九州P44H2)
2002年10月竣工、幅6.5、延長476m、
何故こんな山頂近くに大きなトンネルが・・・。周りの風景とのギャップが面白いです。

てか、どこにトンネル作ってるんだよ・・・。
トンネルを抜け、麓へと降りていきます。
茶屋越トンネル(大規模林道)  
空野トンネルから降りてきて県道39号線突き当たったら左折、少し進むと再びひむか神話街道の看板があります。案内図では道幅狭小となっていますが、実際には二車線改良済みでした。

ひむか神話街道はこのように要所要所に看板がありますのでルートを安心して辿ることが出来ます。(ツーリングマップル九州P44H1)
少し進むと茶屋越トンネルがありました。こちらは大規模林道の一部として建設されています。
大規模林道 宇目・須木線 日之影・南郷区間その1  

ひむか神話街道はR388から中山トンネルを経由して椎葉・五ヶ瀬へ向かいますが、
今回のツーリングではルートから外れ、
大規模林道 宇目・須木線を探索しつつ日之影・高千穂に向かうことにしました。
上の地図で細い茶色線が大規模林道です。長大な二車線快走路なのに、ほとんど知られていない・・・

R388から大規模林道へ入る交差点を東側から眺めたところ。諸塚方面の看板があります。西側からだと看板は無かった気がします。(ツーリングマップル九州P39I3)
入口に緑資源幹線林道の青看がありました。行ってみましょう。
費用削減対象となったせいか、最初のウチは1.5車線です。あまり大規模林道らしくありません。ちょっとガッカリと思いきや・・・
暫く尾根筋を走って・・・

誰も居ないwww
途中から二車線に拡幅。
豪快なワインディングロードが続きます。
日曜日だというのに交通量はほとんどゼロ。
信州ですら、これだけ交通量少ない快走路は・・・実は無いことはないのですが、九州山地縦断するほどの長さの道はありません。
なんか勿体無いです。
R327に降りてきました。いやぁ、良く走りました。といってもまだ続くのですが・・・。
国道と大規模林道の交差点には小さなトイレと駐車スペースがありました。逆ルートを辿る時は目印となるでしょう。(ツーリングマップル九州P39J3)
大規模林道 宇目・須木線 日之影・南郷区間その2  
国道327と県道50号線を短く繋いで大規模林道の次の区間へと向かいます。池の窪グリーンパーク(六峰街道)を目指せばOK。(ツーリングマップル九州P39J3)
集落も無い尾根筋に向かってグングン高度を上げていきます。不思議な道です。

谷底を離れ、かなり標高の高い場所までやって来ました。
曇りなのが残念ですが、でもスゲェ。

また、このスカイラインにやって来てしまいました。
今日走った道では、やっぱりこの道が一番良いと思います。

前回訪問時はまだ工事中で、六峰街道へのエスケープを余儀無くされたのですが、確か2007年頃に全線完成して開通式が行われたハズ。とはいえツーリングマップルには未掲載です。本当に高千穂まで行けるのでしょうか?いったいどこに降りるのでしょうか???
前回工事中だった新設区間に突入。なんかもう無駄にウネウネ曲がりくねっています。楽しいぜ!
実は地図に無い道なので、果たしてこの山上からどこに降りるのか不明なのです。
行けばハッキリ判るハズ。とにかく前へ進みましょう。
出来立てホヤホヤのワインディングが続きます。
尾根筋を渡っていきます。よくこんな道造ったなぁ・・・。
想像以上に長いワインディングロードです。凄すぎる・・・。
さんざん走って、里に降りてきました。
最後は長大橋で締めです。
龍天橋というそうです。林道長さNO1だとか。水面からの高さ100メートルという長大逆ローゼ(アーチ)橋なので、遠くから見ても迫力ありそうです。
R218に突き当たりました。
写真は国道218号線から大規模林道を振り返って見た図。逆ルートを辿る時は西臼杵森林組合の看板が目印になりそうです。
国道から交差点を見た図。あまり特徴のある交差点ではなく、青看もありませんが、ガソリンスタンドと森林セラピーロード(遊歩道)の案内看板があります。

さて、ここはどこ?
試しに東へ800メートルほど進むと道の駅「青雲橋」がありました。こんなところへ出てきたのか・・・。

今ネット上で初めて明かされる(のかもしれない)宇目須木林道の北の起点!
日之影〜九州自動車道御船IC〜東名川崎IC  
道の駅青雲橋から青雲橋を望みます。ここからだと近すぎて展望はイマイチかな。
昨日出発してネットカフェで仮眠しただけ、風呂にも入っていなかったので、温泉でサッパリすることにしました。
駅に温泉があるので有名だった日之影温泉駅に向かいます。
昔のレポでも触れましたが、高千穂鉄道は数年前の豪雨水害で線路流出、壊滅的な被害を受けて廃業に追い込まれてしまいました。
今は日帰り温泉と売店だけが営業しています。しかし残念ながら循環かかってるだけで源泉投入口からお湯が出ておらず、温泉の泉質はかなりイマイチでした。温泉入ってるウチに日没。
館内にあったポスターを撮影してみました。在りし日の高千穂鉄道です。

温泉から出てくると雨でした。遠く離れた九州の見知らぬ土地で夜の雨。よく考えると厳しい状況のような・・・

さて、どうするか・・・。

ほぼ冬のこの時期に営業しているキャンプ場などそうそうありません。知らない土地での夜のキャンプ場探しはかなり困難です。

阿蘇ならキャンプ出来そうな場所は知っていますが、今から出発しても到着は深夜になってしまうでしょう。

サラリーマン時代なら確実にビジホか民宿に転がり込んだと思いますが、零細自営業者にその選択肢はありません。ここであまり金使ってしまうと5月に税金・年金・保険etcの請求まとめると数十万円分やって来た時に資金繰りに困りそうです。個人事業主として軽く頭の中で資金繰り計算・・・このままだと税金が払えんwうわぁぁぁ・・・。とにかく締める所は締めなくては。

そんな金欠にとって高速千円はあまりに魅力的です。しかし睡眠が・・・

(この時はETC利用すると休日千円高速乗り放題(大阪東京近郊区間を除く)という制度があった)

結局千円の魅力に負けましたw。後先考えずに熊本の御船ICへGO!で、どうするんだ俺www
昨日川崎を出て、ネットカフェで仮眠しただけ、何処かで寝ないともたんぞ・・・。

高速上で仮眠できる施設というと滋賀県の多賀SAの浴場の休憩室がありますが、そこまで700km位?
・・・無理です。明日の昼になってしまいます。
最悪SAでテント張っちゃおうと思っていたのですが、いざとなるとやはり人目が気になって張れません。寝袋で寝るのも憚られる感じ。

結局、SAの外にあるベンチで仮眠しながら進むことにしました。気温は一桁で風邪を引きそうだったので使い捨てカイロを8個程仕込んで寝ました(カイロ無かったら確実に風邪引いてると思います)
門司のめかりPAから関門海峡を眺めます。ライトアップ時間を過ぎているので景色はイマイチ。でもこれで九州とはお別れです。まあまた来るけど。
中国道は降雪の心配があったので山陽道を進みました。山陽道は施設が新しく物販コーナーは多いのですが休息するスペースが少なくて参りました。どうも近年SA本来の「休憩」という機能が軽視されている気がします。

ところで奥に見える青いニンジャ250は山陽道、名神と一緒で、滋賀県まで時々見かけました。だいたい同じペースで移動してた模様。ライダーの方とはお会いしなかったですが、ちょっと心強かったです。

・・・・・

やはり仮眠しながらだと、なかなか先に進みません。ほぼ各駅停車w。大阪通過は昼頃、静岡が夕方、川崎着は夜となりました。おそらく熊本に宿泊して早朝出発したほうが特急並みの停車となり川崎帰着は早かっただろうと思います。やっぱり睡眠は大切ですねー。というか大阪〜九州はやっぱりフェリーがいいです

まあ中国道自走は楽しかったですし(特に行き)、また走ってみたいなとは思いますが、総合的に見れば人にはフェリーの活用をオススメしたいです。

・・・・・

結構厳しかったのがタイヤです。写真は宮崎県の道の駅青雲橋で撮影したもの。スリップサインがすっかり露出して残溝は0.8mm位でしょうか。道の駅でタイヤチェックしてあまりに減ってたのでびっくり。出発前はかなり深い溝が残ってるなと思って(半分位あると思ってた)気にもとめなかったのですが・・・。

ちなみにこの時のタイヤはツーリングバイアスのGT-501です。世間では持ちがいいと評判のタイヤですが何故か自分の使い方だと減りが早い気がします。キャンプ道具積載ロングはBT-45の方が持つと思う。

大阪あたりの用品店に寄ってのタイヤ交換を覚悟していたのですが、幸か不幸か帰り道の高速は9割方ウエット(実は、ずっと雨だったのですよシクシク)、川崎についてもまだゴムはありました。ウエットってタイヤ減らないんですね・・・。

もし九州自走される方はお気をつけ下さい。関東から自走するなら新品タイヤ入れとく位のつもりでいた方がいいかもしれません。

・・・・・

それからもう一つ老婆心ながらアドバイス。もしこれから初めて九州行かれる方は、このルートではなくメジャーな「別府温泉〜湯布院〜やまなみハイウェイ〜阿蘇山」「大隅半島佐多岬〜桜島〜霧島」を走った方がより楽しめると思います。(以前のツーレポ)。このルートはあくまでサブルート。メジャールートを走った後で初めて輝くルートだと思いますので。(多分初めての九州がこのルートだと九州に対して偏ったイメージが形成されそう。何というかスーパーサブだけ見てもそのチーム全体が把握できないのと同じような感じ)

・・・・・

というわけで今回は九州の大規模林道をだいぶ解明することが出来ました。実は一日しか居なかったのですが、数日間走りまわった位の手応えがありました。でも出来ればあと二泊位したかった・・・。

次回の九州ツーリングでは当然!ひむかの神話と歴史にチャレンジしたいと思います。お楽しみに(いつか判りませんが)。ではまた次のツーリングでお会いしましょう!

・・・・・

HOME ・ PART1PART2PART3PART4

LONG TOURING CLUB 1999-2010 Copyright morita/LODGE MOTIVE All Rights Reserved.