ツーリングレポート

北海道ツーリング PART5

北太平洋シーサイドライン〜釧路湿原道路〜ナウマン国道〜日高(4日目)

訪問日:2012年6月2日〜6月9日  掲載日2013年12月26日

霧の弟子屈、別海、厚床  
翌朝の屈斜路カルデラは霧に包まれていました。屈斜路カルデラを越える第三の峠道:津別峠を目指すつもりでしたが断念。
北太平洋シーサイドラインのカットが欲しいということで、国道243号線で厚床に向かいました。

紫のラインが4日目の行程になります。
初田牛駅  
道道142号線・北太平洋シーサイドラインに入りましたが、相変わらず霧の中。
後方に見えた駅舎が気になって急ブレーキ。
Uターンして訪ねてみると・・・。
初田牛という無人駅でした。(後でググったら秘境駅として割りとマニアに知られた駅のよう。)
一日三〜四本しかありません。
運賃は網走まで5千円程と高すぎ。残念ながら交通インフラとしての役目は終わってしまっているようです。

ただ待合室には駅ノートが置いてあって、いい雰囲気ではあります。観光路線として今後も生き延びるのでしょうか?
北太平洋シーサイドライン  
北太平洋シーサイドラインに入ってもやっぱり霧でした。これだけ霧が多いと住むのはしんどそうですが(洗濯物どうするんだろう?)、ポツポツと人家を見ることが出来ます。
まあ霧が多いのは夏だけで、春、秋、冬は晴天率が高いハズですが、でも暮らすのは大変そう。

・・・・・道東の気象について・・・・・

ちょっと脱線しますが、アメダスからデーターを引っ張って日照時間をグラフ化してみました。

根室の日照時間はこんな感じ↓。
6,7,8,9月の日照時間がかなり少なくなっています。夏にオホーツク海高気圧の活動が活発になると、霧が出やすくなると思われます。


ちなみに内陸の美瑛の日照時間はこんな感じ。
夏の日照時間は多く観光地として恵まれている事が分かります。梅雨の影響もほとんど無いですね。一方、真冬の日照時間が極端に減りますが、冬はシベリア気団からの寒波の影響で雲がかかりやすくなるのでしょう。

 

ついでに宗谷岬の日照時間はこんな感じ。
春、夏、秋は良好な気候ですが、真冬は暗く、凍てついた世界になってしまうであろうことが想像出来ます。緯度も高いですからね。

北海道といっても、天気の傾向はエリアによって随分違うことが分かります。ちなみに、北海道で最も日照に恵まれるのは十勝エリアになります。季節風を山脈がカットしてくれるからですね。

と、だいぶ脱線してしまいました。てはツーレポに戻りまして・・・

北太平洋シーサイドラインは旅情たっぷり。冷涼なせいか亜高山帯っぽい風景が続きます。本州だと山の上にしか無い湿原が、海岸線に展開するのも、その冷涼な気象のせいでしょう。
丁度仔馬が育つシーズンなのでしょうか。
馬の親子をあちこちで見かけました。
道の方はそこそこ変化もあり、交通量も少なく快適です。
まだ春が浅い北太平洋シーサイドライン。
派手さはないですが、味のある路線だと思います。
太平洋岸を釧路方面へと向かいます。
琵琶瀬展望台から霧多布湿原を見渡します。

海から霧が沸き上がってきていました。霧多布らしい風景だと思います。オホーツク海高気圧から吹き付ける冷涼湿潤な風が、吹き上がる際に霧になっているというのが良く分かりました。

道1128〜釧路湿原道路〜釧路空港農道(仮称)  
北太平洋シーサイドラインを走りきって国道44号線に出ました。車列に並んで走るのはつまらないので、
こんどは内陸に入って道道1128で西へと向かいます。
やはり、国道の一本内側を通る道道は空いていて、牧場や原野の中を快適に走る事が出来ました。
ただ、道が分かり難いです。いきなりのT字路。道路看板もありません。どっちに行こうw

脇にこんな地図があったので一瞬ラッキーと思ったのですが、
肝心の現在地が載っていないorz。
結局適当に走りましたが、ほぼこの図の広域農道をトレースできたようです。

今回は↑こんな感じで水色の広域農道ルートを辿りました。
写真に車があまり写ってないのはその為です。

釧路湿原道路に入りました。何も無い湿原の中を抜けていきます。

・・・・・釧路市街の迂回と釧路外郭環状道路について・・・・・

釧路市街は交通量も信号も多くて通過に時間が掛かり、正直言って北海道の都市でもあまり寄りたくない場所です。こちらの湿原道路は距離的には多少遠回りですが、市街を抜けるより早く、快適だと思います。

なお釧路市街を大きく湿原側に迂回する釧路外郭環状道路が建設中であり、完成済みの釧路新道を経由して、やはり延伸作業中の道東自動車道(北海道横断自動車道)とも接続予定となっています。完成は2015年か2016年頃の予定。今まで北海道地方部のくせにアホみたいに時間が掛かっていた釧路通過時間が大幅に短縮される見込みです。

釧路外環も国道扱いなので無料の予定です。所要時間は外環の方が短いでしょう。よってツアラー的には外環が完成すると、釧路湿原道路や道道がさらに空くというメリットが見込まれます。あと3年ほどすると、釧路湿原道路がより爽快に走れるという訳です。(余談でしたが)


湿原を横断した後、R240を少し経由して、道道65に入りました。
釧路空港への道だけあって、きれいな道です。
もし逆方向なら、釧路平野に舞い降りる様な爽快さを感じられることでしょう。だがしかし!
空港正門まで来ました。よく見ると・・・
正門脇にはパトカーが隠れてスタンバっていました。レンタカーを借りた旅行者が、気持よく坂道を下って行くと、いきなり御用になってしまいそうです。
うーん、狙うなら住宅地とか学校の側をとばしてる本当に危ない車を狙えばいいのに・・・と少し思ってしまいました。
釧路空港正面交差点を左折して、暫く先を右折すると、地図に無い道が現れました。
滑走路の誘導灯を発見!
脇道に入って近づいてみました。なかなかカッコいい建造物です。
その場を後にし、アップダウンしながら進んでいきます。

暫く走って振り返ると、誘導灯が遠くに。

さらに遠くへ。誘導灯以外の建物は皆無。釧路の雄大さを実感しました。
この道はまだ開通したばかりで知られていないのか、ほとんど通行量はありません。
(2012年版のツーリングマップルにも未掲載)

暫く走り、道道242に突き当たったところで広域農道は終了です。
仕方なく国道38号線に戻りましたが、釧路と十勝を結ぶ唯一の幹線道路(バックアップ路線無しという珍しい状態)のせいか、こんな感じで車だらけ。北海道まで来てやってられません。
そこで、直別から道道1038へエスケープしました。
道道1038+R336ナウマン国道  
そのまま道道1038で行くつもりでしたが・・・新しい道が出来てる!
R336(ナウマン国道〜黄金道路)が延伸して、道道1038と接続していました。まだ今年出来立てホヤホヤのはずです。

これで釧路から襟裳岬や日高方面に行くのが便利になりました。
しかし、まだ竣工して3ヶ月位のはずですが・・・???
道路が波打っています。
新設の道路なのにおかしい。減速帯かと思いましたが、1km位に渡って波打っています。地すべり等で難航したとは聞いていたので、恐らく工事上の不具合でしょう。
暫く進むと道が良くなってきました。
有名な昆布刈石のダートは工事中通行止めでした。
海からは霧が攻めてきています。
そして快速路へ。
かってはロングダート国道として名を馳せたというR336、90年以前には渡舟で超えていたという十勝川も橋梁で越えていきます。
太平洋に面した十勝川河口部からも霧が攻めてきていました。道東の太平洋岸は霧多布同様に霧が多いです。
ぱっと見綺麗そうな霧ですが、中に入ってしまうと凍えるほど寒い上に、ジャケットが濡れてくるので、ライダーにとっては結構厄介なものです。
R336の浦幌〜広尾間は人家も交通量も少ない快適路線です。ナウマン国道とも呼ばれます。
まあ北海道らしい大雑把な道ではありますが、平野部を行く割には高低の変化もあって好きな道です。
ただ、今でも申し分ない道路なんですが、数年前に走った時より改良工事が進んでいるような・・・。もうこれ位でいいのでは・・・。
さて、広尾から先のR336は愛称を黄金道路と変えて宗谷岬まで行く断崖沿いの海岸道路となるのですが、今回は山越えのR236天馬街道に進んでみることにしました。一体どんな道なんでしょう?
十勝平野と日高地方海岸部を長大トンネルでショートカットする国道ですので、交通量の多さを覚悟していたのですが、意外にも空いていました。
これが日高山脈を抜く全長4231mの野塚トンネルです。竣工した1990年から2010年まで北海道で一番長いトンネルでした。
トンネルを抜けても高規格な道が続いています。
やがて周囲はサラブレット牧場ばかりに。
どうやら仔馬のシーズンらしく、家族連れの馬が多かったです。
ここから先はホント、馬ばかり見ました。日高地方を通過する間に数百頭は見かけたと思います。
ちなみに静内だけで八千頭だそうですから、エリア内には一万頭以上の馬が居るのでしょう。どこに行っても馬だらけなハズです。
天馬街道沿いにあるJRAの日高育成牧場を訪ねてみました。競馬には全く興味はありませんけど、仔馬は可愛いです。
北海道は広いです。ほぼ道東海沿いを走るだけで一日を費やし、日が傾いてしまいました。そこで心配になるのがキャンプ場です。
ツーリングマップルを見ても日高地方のキャンプ場は僅か。沢山ある道東とは対照的です。不安になりつつ、数少ないキャンプ場である「森林公園緑のふるさと温泉の森キャンプ場」を訪ねてみたら、ちゃんと係員さんが居て受付をしてくれてホッとしました。午後5時受付終了10分前滑り込みセーフでした。
温泉の森キャンプ上は国道から3分ほど走った山奥にあります。この時は隣接する静内温泉も休業していて無人であり、非常に怖かったです。寝られるかなぁと心配しながらのテント設営となりましたwwwまあ人家まで車で3分ですからまだマシな方ですが。
ちなみに、2013年10月から静内温泉が営業再開しているので、来年は便利で賑やかなキャンプ場になっていると思われます。
テント設営後は買い出しに出かけました。やはり国道は車が多いです。
静内の街は思った以上に大型店が多かったです。イオン系スーパーのマックスバリュと大型のイオンの2つのスーパーがあるのには驚きました。
(やはり競馬関係は大金が動き、街の購買力も高くなるのだろうか・・・とか下世話にも思ってしまいました)
買い物後は新冠町に足を伸ばして、新冠温泉へ。超巨大施設ですが、沢山の町民で賑わっていました。
翌朝の温泉の森キャンプ場です。料金も格安で、設備も整った良いキャンプ場でした。
翌朝は静内の二十間道路桜並木へ。


数キロに渡って桜並木が続いていました。
サラブレットの移動中だったので停車して休憩中。

まあ、静内を訪ねてみたいと思ったのは、自分が好きな漫画(じゃじゃ馬グルーミン★アップ!(1994-2000少年サンデー連載、ゆうきまさみ作)http://www.yuukimasami.com/works/grooming/)の舞台となっているからなんですが。ただ1994年というと約20年前、まだ漫画で町おこしといった風潮は無いどころか正反対で、作品でも取材先にファンが来て迷惑が掛からないよう背景等をわざと変えて描いていたそうです。そのまんま出てくるのは二十間道路桜並木くらいなんですよね。ヒット作なだけに、今考えると観光振興といった点で勿体無かったかなという気がします。ちなみに、作品は確か主人公がSRXでツーリング中、牧場である少女に遭うところから始まります・・・。まあバイクは最初しか出てこないんですけど。スミマセン、また脱線しました。本題に戻って・・・
静内から苫小牧までは道道1026、道道351、日高自動車道を走りました。
道道1026は国道より遠回りですが、空いている快走路で、ツーリングの移動には適した道だと思います。
PART6に続きます。
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