ミニレポート 訪問日:2006.9.5 掲載2006.9.8

高山大山林道と飛騨農園街道 PART2

人知れず山奥を走る立派な道〜

ふるさと農道(国道361号線にとって替わる新しい美女街道)

飛騨農園街道の交通量が少ないもう一つの理由は、平行して走る道が他に3本もあるからである。

地図右側のオレンジ色のラインが飛騨農園街道である。すぐ西には国道361号線(狭路)が通っていて、その西側には「ふるさと農道」(高規格道)があり、さらに西側にはR41(幹線)も控えている。

朝日村から高山市に向かう車のほとんどは「ふるさと農道」を使っているようだ。

そこで、「ふるさと農道」も取材してみた。R361方面から来ると、平湯・高山市街の青看板がある。

右折すると、美女街道のイラスト入り看板が目に入った。美女街道は元々国道361のキャッチフレーズだったのだが、農道にとられてしまったようだ。だったらこっちを国道にして、交通量が皆無に等しくなった現国道は降格してしまえばいいのに(管理費の削減になるから)・・・と思うが、国道と農道では管轄が違うから無理?
「ふるさと農道」は長大なトンネルで朝日村と高山市を最短で結んでいる。農道とは思えない立派さ。交通量も多く、ほぼ産業道路化している。実際、国道41号線のバイパス機能を果たすというのが建設時の売りの一つとなっている。

農業振興という発想からではなく、予算を獲るために進められる農道事業。ゆがんだ行政の姿がみてとれる。そろそろ道路事業は組織を一本化すべきではないだろうか。

そして、新たな広域農道が・・・。
飛騨農園街道はR361に合流して終わるが、実はその続きと言うべき新たな広域農道がR41に向かって建設中である。その様子をお伝えしよう。

R361を東へ向かって少し走ると、気になる交差点を発見した。交通量はほとんど無いようだが、それにしては妙に工作の規模が大きい。ちなみに、朝日村村役場の真ん前である。
入ってみると、全面通行止めの看板があった。しかしその先には2車線フルスペックの凄く良さそうな道が見える。行くべきか?

行きました・・・おおっ、やっぱり。凄い良道!
山間を渡る素晴らしい道が続く。

結構な距離を走り、山岳ワインディングを堪能した後、再び通行止めの看板が出てきた。ここでUターン。
人知れず快走路を建設するなんて、岐阜県もやるなー。

タイトコーナーから見晴らしの良い直線路まで、走り甲斐のある道。全通したら一押しのルートになると思う。
ちなみに、この道は右図右下の「広域農道」に当る。完成すれば、先ほどの「飛騨農園街道」と合わせてR41岐阜方面からゴチャゴチャした高山市街を通らずに奥飛騨・上高地方面へ抜けられる訳で、ツーリングルートとしてかなり有望な道になるだろう。工事期間は平成18年10月20日まで。実用的なツーリングルートとして使えるのは、再来年になると思われる。

さて、せっかくなので、R41との接続点まで行ってみることにした。この隋道内の交差点がそれ。
狭い踏み切りを渡ると・・・
(この踏み切りは農道が開通してもこのままだったりして)

斜面を切り崩す大規模な工事が行なわれていた。
場所はR41道の駅「飛騨街道なぎさ」から2キロほど北上したところ。開通したら、また行ってみたいと思う。

再び大規模林道、八幡高山林道へ

R41で南下、再び大規模林道を探す旅に出た。
飛騨萩原からR257新日和田トンネルを越えて馬瀬に入る。山間の田園風景の中に、その入口はあった。

ここも例に違わず高規格快走ルート。
結構タイトなコーナーもある。地図上ではカーブが省略して描かれているので大した距離には見えないが、実際には結構走り甲斐のあるルートだった。

で、走っているうちに日没。こんな岐阜の最果ての山奥で日没を迎えて、どうするんだオレ・・・。

峠はトンネルで越えている。ここまで対向車は皆無。さすがに、ちょっと寂しい。
トンネルの中に入ってみる。寂しげな山中にあって、ここだけ煌々とライトが光り明るく、妙な感じ。

・・・ライト消しちゃえばいいのに。もったいない。

さらに大規模林道を進むと県道86号線に接続した。周囲に多少の集落は点在するものの、こちらは薄暗く狭い狭路。果たして、こんな狭路としか接続していない大規模林道に建設費に見合う存在意義はあるのだろうか?
この後ですが、岐阜と長野の山奥の夜道を延々と走って、途中本屋に寄ったりして、帰宅は午前1時でした。さすがに疲れました。(日が暮れると山間部は激寒なので真似しないで下さい。私は山の民なので大丈夫ですが)
さて、そんな訳でいかがだったでしょうか、岐阜の大規模林道と広域農道。はっきり言って非常にマイナーな存在なので、誰にでもお勧めする訳ではありません。でも、この人と車がひしめき合う日本列島にあって、これほどまでに使われていない道を走るというのは、面白い体験でした。もっとも税金で作られていることを考えると、喜んでばかりもいられません。多少は農業林業の役に立っているのでしょうが、ここまで大規模な道は必要なさそうです。どちらかと言うと予算を獲る為に工事をしているような気が・・・。

↑地図は手書きなので適当です

再来年には広域農道の工事が完了し、R41なぎさ〜広域農道〜R361朝日村役場〜飛騨農園街道〜R158高山市丹生川町坊方が繋がると思います。下呂〜高山〜平湯を結ぶルートとして使ってみると、面白いかもしれませんョ。もっとも国道+ふるさと農道を通った方がよっぽど早いですけどね。では、今日はこの辺で。

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