ミニレポート 訪問日:2006.9.5 掲載2006.9.8

高山大山林道と飛騨農園街道

山奥を走る交通量の極めて少ない立派な道〜

昨年のツーレポ「快走!有峰林道ツーリング」で快走をお伝えした「高山大山大規模林道」、調べてみると「飛越山地大規模林業圏開発林道」という関ヶ原から神岡に至る平成30年完成予定、原則2車線幅員7mの総延長335kmの長大な舗装林道の一部であることが判った。下の地図は事業主体である緑資源機構のサイトで公開されている路線図である。
路線名 計画(km) 完成(km) 進捗%
関ヶ原・八幡線 70.0 11.3 16.1
八幡・高山線 65.2 35.7 54.8
高山・大山線 39.7 39.7 100.0
県計 174.9 86.7 50.0
平成15年4月

 

 

 

 

 

これを見ると、有峰林道ツーリングで走ったのは、高山大山線の極く一部であることが判る。残りの道はどうなっているのだろうか?

林道の残り区間を探索すべく、久々の休日に岐阜の山奥へと向かった。

安房峠越え

AM10時半頃蓼科を出発、正午に松本市を通過し、安房峠(R158旧道)を越えて岐阜県へ向かう。

荒れた舗装に凄い急カーブ。昔はこんな狭いつづら折れの道を乗鞍や上高地を目指す観光バスが大量に走っていたのだから恐れ入る。平成9年に安房トンネルが出来てからは閑散としていて、緑を眺めながらトレッキング気分で走る分には楽しい道だ。
穂高連峰が見えてきた。この時点では晴れていたのだが、天気は下り坂に向かう予報。これ以降、写真写りが悪いのは曇天だからである。

峠を越え岐阜に向かって下っていく。時刻は既に1時20分、宿でお客様を送り出して、いろいろ片付けてからなので、どうしても出発が遅くなってしまう。今日は日付が変るまで走るつもりだ。

平湯から栃尾温泉に下り、さらにR471で神岡方面へ暫らく下る。

県道89号高山上宝線

さて、まずは林道の起点を探さなくてはいけない。

分け入ってみたのは岐阜県道89号高山上宝線。一応地図上では主要地方道なのだが、実態は車一台分の幅しかなく、舗装も荒れ、センター部分にはコケさえ生えつつある酷い道。

実はこのアプローチルートさえ良道なら、高山大山林道を快走ルートとして紹介出来るのだが・・・。

山の中を分け入って20分程走り、トヤ峠の手前で右折、県道473号線に入ると3分程で分岐が現れた。もしかして・・・!?
高山大山大規模林道
出たー!!大規模林道「高山・大山線」。

施行はこのHPではすっかりおなじみとなった緑資源機構である。

しかし、なんで唐突に2車線舗装路が始るかなー。しかも結構テクニカルなコーナーが連続してたりして。接続する県道が荒れた極狭路なのに、理解に苦しむ。
展望が利くところは限られるが、山深い景色を楽しむ事が出来る。

大胆に山の斜面を切り取って、ニュルブルリンクサーキットばりの?ワインディングが伸びている。切り取った斜面の高さからいって、かなり大規模な工事だったことは想像に難くない。
道端にバイクを止めて、今来た道を振り返ってみた。山の中腹を縫うようにして、道が走っているのが判る。車は全然走っていない。

上の写真を拡大してみた。眼下にダートの林道が見える。はっきし言って、林道なんて、これを舗装したくらいで十分ではないだろうか?いや素人考えだが・・・。
結局、15分ほどで走り通したのだが、車は一台も見なかった。はたして、ここまで立派な道は必要なのだろうか?

飛騨農園街道

R158沿線の集落に降りてきたところで、高山大山林道は一旦途切れるが、R158を高山市側に3キロ程走ると、その続きとも言うべき大規模な農道が現れる。飛騨農園街道である。その名称は看板を見て初めて知ったのだが。

交差点の場所であるが、高山市丹生川町(旧丹生川村)浄願寺の近くである。

いきなり立派なトンネルに突入。
最初の内は集落を通るので数台の車を見かけたが・・・。
またまた立派なトンネルが出現。装飾が施された歩道付きの豪華なトンネルである。いや歩道はあった方が良いが(学校が近い)、直線路の車道部分は1.5車線で十分だろう。むしろ車がスピードを出さないから、狭い方が良いと思うが・・・。

集落を後にし、山奥に向けて標高を上げていく。さすがに山の中まで来ると、交通量は全く無し。
立ち止まって撮影していても、通り過ぎる車は皆無。何なんだ、この道は・・・。

道幅もたっぷり。出来たてホヤホヤの立派な道だ。しかも全線開通済み。

でも・・・、通る車無いんですけど。

ガードレールの外側を覗き込めば、凄い立派な工事がなされている。

・・・いや、だから通る車無いんだってば。

点線は要らんだろう・・・。ていうか他の車とすれ違うことすら無いのだから、白線も不要だ。ていうか、この道自体不要かも。出来たてなのに要らない可愛そうな道・・・。
それはともかく、テクニカルなコーナーが続く。ワインディングを楽しみつつ、頭の中は?マークだらけ。

走れど走れど、対向車が全然来ないゾ。思わず道の真ん中で止って撮影しちゃったり。左側のクネクネ標識がこの道の性格を物語る。
牧場に出た。北海道だってこんなに閑散とした道は無いョ。

道端に看板を見つけた。この図ではカーブが省略されてしまって判りにくいが、詳細な地図を見ると、この道がなぜ使われていないのか判る。
右は飛騨農園街道を撮影した衛星写真である。写真中央の無駄に曲がりくねっている道がそれだ。無駄というか、恣意的に曲げてあるように見える。わざわざ、こんな曲がりくねった道を通る人は少ないだろう。

素人考えだが、わざわざ曲げて作る理由は、受益面積を増やしたいからかもしれない。農道や林道は受益面積が大きければ、経済効果が高いと判断されるからだ。時短を目的とした普通の道とは線形が大きく異なる。のか?

さて、ミニレポのくせに異様に長くなりました今回のレポート。ページを分けて2ページ目に進みます。

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