冬の紀伊半島 国道311号線を行く

〜冬はやっぱり紀伊半島!パールロード、R260、R311で海沿いツーリング〜
 
訪問日:2007年1月上旬  掲載日1月

1月。美しい海沿いをアップダウンとカーブを交えて走る。景色はまるで夏のよう・・・。

国道311号線を走ろう!
冬と言えばやっぱり紀伊半島。海沿いはやっぱり暖かです。1月初め、爆弾低気圧が猛威を振るう中、紀伊半島を目指しました。(下道をずーっと行ったのですが、1日目は低気圧のおかげで名古屋市内で健康ランド退避を余儀なくされました。レポは2日目から始ります)。

今回の主目的は国道311号線を走ろう!です。紀伊半島でよく紹介されるルートというとR42・R168・R169や高野龍神スカイラインですが、それではちょっと普通過ぎ。あえてR311にスポットを当てるのがLTC流。

国道311号線は海沿いの超ローカル路線、山峡の酷道、そして山脈を串刺しにするスーパーハイウェイの3つの顔を持っています。一つの国道でこれだけバラエティ豊かな表情を持つ道は全国的にも珍しい存在でしょう。沿線には熊野古道と温泉が連なり、観光ポイントは盛り沢山。紀伊半島のエッセンスが凝縮された存在、それがR311だと思うのです。では出発進行!

まずは初詣で伊勢神宮へ  
早朝まずは伊勢神宮にやって来ました。
伊勢神宮は内宮外宮とも無料の駐輪場が入口側にあるのでライダーにとっては訪問しやすいところです。
参道の森がいい感じです。普段無宗教の私ですが、初詣はやっぱりいいですね。

社殿は撮影禁止なので、写真はここまでです。内宮の所要時間は40分ほど。伊勢神宮は外宮と内宮があって、外宮から訪問するのがしきたりだそうですが、今回は内宮のみの訪問です。

県道128号線パールロード  
紀伊半島海岸巡りを開始。まずはパールロードを走ります。海沿いの尾根筋を走る道路だけあって景色も良くて快適です。
パールロードは2006年7月全線無料化されています。
ここでの見所は的矢湾大橋でしょう。橋の東側の袂に数台の駐車スペースと展望台があります。
国道260号線で海沿いを行く  

前回ツーリングで訪問済みなので、伊勢志摩スカイラインや展望台巡りはカット。ひたすら西を目指します。

国道260号線に入りました。少し前までは代表的な酷道でしたが、近年改良が進んで高速移動ルートとしての価値が出てきました。
一部集落の中が狭いですが、大部分は驚く程の快走路。
(英虞湾沿いルートは海上で途切れ、道も狭路なので今回は省略しています)
この道の良い所は、海と山の両方を楽しめるところだと思います。
ひと気の無い海がきれいでした。
錦港 向井ヶ浜遊パーク  
途中、高台の展望台から眺めたら、面白そうなビーチを見つけました。
まるで超高級リゾートの様ですが、驚いたことに町の公園でした。外洋とは仕切られているので、波は穏か。入場無料。しかしこれ作るのに幾らかかったのだろう・・・。

とはいえ、休憩ポイントによさそうです。夏は大混雑するのでしょうけど。

国道311号線尾鷲〜熊野(海沿い区間)  
2時間ほどでR260を走破。一旦国道42号線を走り、尾鷲の街外れから国道311号線に入ります。

R311は最近まで不通区間があった紀伊半島きってのローカル国道です。不通区間を打破したのがこの長大なトンネル群。

立派なトンネルが何本も続く一方で、海ギリギリの狭路が残っているのが、この道の面白いところ。
鬱蒼と繁る照葉樹林を駈けるワインディングロード。非常に変化に富んだ楽しい道です。
R260を更に濃密にしたような表情豊かな道が続きます。

美しい海岸で一休み。
日本有数の景勝ロードと言っていいでしょう。
まだ狭い区間も何箇所か残りますが、それぞれの距離は短く、さほど苦になりません。酷道として有名な国道425号線などに比べたら可愛いものです。
紀勢本線の尾鷲〜熊野が全通したのが1959年、国道311号線が全通したのが2001年です。

この辺り、昔は陸の孤島で、往来は船に頼っていたようです。それだけに素朴な自然が残されているのでしょう。

飛鳥神社の森  
走行中、いい感じの鎮守の森を見つけて寄ってみました。飛鳥神社といって、ごく小さく素朴な社なのですが、楠や杉の巨木が凄い迫力でした。観光地化されていない場所ですが、ここはかなりいいです。

県天然記念物の楠は樹齢千年幹周り11.5m

楯ヶ崎  
R311を走り始めて1時間ほど、鬱蒼とした原生林に覆われた双耳の山が見えてきました。

紀伊半島きっての名勝「楯ヶ崎」です。往復1時間半程歩かなければいけませんが、植生や景観は個性的で素晴らしく、ハイキング好きの人には是非歩いて欲しいところです。

 

今回は行きませんでしたが、詳細は前回訪問時のレポは「今月の風景 楯ヶ崎」をどうぞ。
熊野市 国道42号線併用区間  
尾鷲市から2時間ほどかけて熊野市に到着、国道42号線なら40分程の道程ですから、いかに311号線が遠回りしているか判ります。でもまあ、そのおかげで通過交通量が少なく快適に走れる訳です。

写真は獅子岩。

国道311号線熊野市〜静峡(山峡区間)  
獅子岩を過ぎると再びR311の単独路線に戻ります。近年整備が進んだ道らしく、暫らくの間は快走路が続きます。人家は点々と続きますが、カーブも多く、景色も変化があって飽きない道でした。

沿線の観光名所としては丸山千枚田が有名ですが、どうせ冬枯れているだろうし、夕方も近いしということでパスして先を急ぎます。

R169に合流する直前で改良区間は途切れ、1車線狭路と化します。対向車が来るとちょっとハードですが・・・。
しばらく我慢して走ると、北山川が大きくカーブしている場所に出ました。路肩には車2台分程のスペースがあります。思わずバイクを停めました。
おおっ!いい眺めです。川の180度ターンが一望の元。こういう景色は他に余り見たことがありません。
川湯野営場木魂の里・川湯温泉  
さて、今夜のキャンプ地は川湯野営場木魂の里です。宿泊料は千円。冬でも営業しているのが助かります。

暗い山中に一人というのは寂しい(恐いw)と思っていたのですが、沖縄を目指しているというXR250タンデムの愉快なご夫婦と一緒になりました。やはり誰か居ると心強いものです。

川湯といえば冬期限定で川をせき止めて出来る仙人風呂が有名ですが、前日の大雨でぬるいということだったので、今回は共同浴場に入りました。

共同浴場は飾り気の全く無い施設でしたが、泉質が良くて大満足でした。但し広くはないので、シーズンは混むと思います。料金は250円。共同湯ファンにお勧めです。

近所には西日本最大の露天という渡瀬温泉もあります。泉質は川湯に似ていますので、共同浴場が混んでいる時や、施設重視の人はこちらをお勧めします。

つぼ湯で有名な湯峰温泉もすぐ近くですが、地元の人の話によると共同浴場は川湯より泉質が良いとか。雰囲気も良いみたいですので、次は訪問してみたいと思います。

右の写真は朝の川湯仙人風呂です。

さて、次の日はスカイロードを目指しますよ!PART2へ

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