冬の紀伊半島 国道311号線を行くPART2

〜冬はやっぱり紀伊半島!パールロード、R260、R311で海沿いツーリング〜
 
訪問日:2007年1月上旬  掲載日1月13日

山を貫くR311  
R311の本宮〜白浜区間は山を貫くハイウェイ区間です。あの紀伊半島の深い深い山と谷を、沢山のトンネルと橋梁で串刺しにして走ります。
ツーリングマップルで歴史国道熊野古道と表示されている旧国道に寄り道して、熊野古道も探索してみましたが、んー特に感想はありません。ブームのおかげで熊野は古道だらけ。古道なら何でもいいという訳ではないと思うんですけど・・・。一番いにしえの雰囲気を残しているのはどこなんだろう?(一応、道の駅熊野古道中辺路に車を置いて散策というのが、観光ルートとして一番メジャーなようです。)
紀伊半島の動脈と化した主要道路を走ってもつまらない訳でして、別の道を走ってみることにしました。この交差点で右折。
県道198号龍神中辺路線  
県道198号線に入ってみました。R424と組み合わせて和歌山方面へのバイパスとして機能しているようですが、国道でさえ酷い部分が多いのに3桁県道なんてどうなっていることやら・・・。

と思ったら、メチャ快走路でした。道幅は広いまま、山間を縫って適度なカーブで走ります。
ただしトラックなど交通量は多かったです。和歌山や龍神方面から熊野路へのアクセス路として便利な道ですが、それだけに交通量が多くなってしまっているのでしょう。峠は長大な水上栃谷トンネルで越えています。
県道29号田辺龍神線  
北上すると高野龍神スカイラインですが、冬期は二輪車通行止めですし、凍結積雪は必至です。

そこで、県道29号田辺龍神線で南下することにしました。

実はこの道が凄く良い道でして、山の稜線付近をまるで空中回廊の様に走ります。
距離こそ短いですが、展望は紀伊半島トップクラス。
高野竜神スカイラインはいい道だったのですが、無料化以降事故が多発していて、既に一般ライダー・ドライバーには近寄り難い感じ。こちらの道の方が安全でお勧めです。
しばらく走って山を下ると、奇絶峡です。休憩して奇岩巨石と滝を見ましたが、奇絶するほど凄い訳ではありませんでした。

この後県道216、218等探索しましたが、「この道は軽自動車しか通れません」なんて看板が出ている程の極狭路で撤退を余儀なくさせられました。

県道36号線、県道37号線で日置川流域を行く  
さて、田辺から和歌山方面は街の連続で、走っても面白くありません。このあたりでUターンすることにしました。

行きに使ったR311を戻るか、海沿いのR42を行くか迷ったのですが、やはり同じ道では面白くないです。そこで県道36号線、県道37号線で日置川流域を訪ねてみる事にしました。

日置川は紀伊半島最後の清流とまで言われた河川で、県道37号線はツーリングマップルでもお勧めルートとなっています。
美しい河川が続きます。ただし県道37、36とも狭路が残っていて、思ったより時間がかかりました。
時間に余裕がある時に走りたい道だと思います。
国道42号線 大辺路  
日置川の河口からはR42で東へ向かいます。最初は遅い車列に従っていたのですが、運良く工事片側通行の場所で先頭に出られたので、暫らくは単独行で気分良く走る事ができました。
この区間の国道42号線は非常に景色の良い道路です。紀勢本線の線路も並行していて、ちょっとヒナビタ絵になる風景が続きます。これで幹線国道でなければ最高なんですが・・・。ちなみに、反対車線でレーダーでの速度取締りを目撃しました。これから訪問される方は注意されたし。
古座川峡  
R42ですが、非常に長い道程でもあります。前の車列に追いついてしまうと、後は淡々と走るだけ。

退屈になって内陸に入り、古座川峡の一枚岩に向かってみました。まあ、ただの岩なんですが、河原までバイクで降りる事が出来るのが良かったです。

酷道として有名なR371ですが、古座川峡から串本にかけては整備されていて、気持ちよく走る事ができました。
ちなみに、こちらがR371の旧道。昔は道の確保にかなり苦労していたことが想像出来ます。
紀伊大島  
夕方、ついに紀伊半島の南端に到達。くしもと大橋を通って紀伊大島へ渡りました。
目指したのは樫野埼灯台。日本最古の石造、回転閃光式灯台です。個人的に好きな場所ですが、駐車場から5分程歩かなければいけません。

夕方ということもあって、今回も誰も居ませんでした。いい雰囲気です。

周囲にはスイセンが咲いていました。
初点灯は明治3年。古くて、こじんまりしていて、歴史を感じさせる、とてもいい雰囲気の灯台です。螺旋階段で登り周囲を眺めることが出来ます。
周囲の海もきれいでした。雲が海に写っています。突出している潮岬が防波堤の役目をして、独特な海域を演出しているのだと思います。
潮岬  
3日目は潮岬キャンプ場に泊る事にしました。広々とした芝生がいいです。平日というに数人キャンプしている人が居ました。さすが本州最南端。
写真は翌朝。黒潮がもろにぶつかる半島だけあって、暖かく過ごす事が出来ました。
帰路  
さて、後は帰るだけです。R42の東側は交通量も多く、正直言って退屈ですが、冬期は他に道が無いので仕方ありません。適当に観光しながら進むことにしました。

ちなみに、那智山から本宮・十津川方面に抜ける県道43、44号線は四国の酷道439号が可愛く思える程の長く狭い道です。

熊野三山は熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の総称です。本宮大社と那智大社は以前のツーリングで訪問済みだったので、今回は新宮の速玉大社にお参りしてみました。歴史有る神社ですが、社殿自体は焼失後再建されたもので、古くはありません。
新宮から少し北上すると、道の駅 紀宝町ウミガメ公園があります。ウミガメが居る珍しい道の駅です。無料で見学出来ますのでお勧め。
南紀から鳥羽へ  
熊野から鳥羽までのルートは迷ったのですが、結局行きと同じR311+R260のルートにしました。美しい海岸と森を抜ける道は、やっぱり気持ちいいですね。

ただ、行き帰りで同じ道というのは、面白味に欠ける部分があることも確かです。夏だったら山間部を通るルートを選択していたと思います。

伊勢湾フェリー  
熊野から鳥羽までR311とR260を使用すると3時間半程かかるようです。実際には他に色々寄り道をしたので、鳥羽港到着は夕方4時。最終の1つ前の便に乗ることが出来ました。
伊良子到着は薄暗くなってから。あとは下道でのんびり帰りました。
さて、いかがだったでしょうか紀伊半島の旅。使えない酷道だった国道260号線を変貌させた紀勢南島トンネルの開通が2002年、国道311号線の全線開通が2001年、紀伊大島くしもと大橋の開通が1999年です。つまり今回通ったメインルートは、ここ十年程の間に大きく変貌を遂げた道ということになります。(だからこそ、今回レポートにした訳です)

紀伊半島を一周した事のある人は結構多いと思いますが、ここ十年で随分変りました。改めて訪れてみると、新たな発見があるかもしれませんよ!

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