ミニレポート番外編

2004年の印象深い温泉

うー、さぶ〜
皆さん、お元気ですか?相変わらず寒いですね。暦は大寒、1年で一番寒いとされる季節です。

ちなみに、立春2/4頃、雨水2/19頃、啓蟄3/6頃、春分3/21頃、清明4/5頃、立夏5/6頃・・・と続きます。雨水って何のことだろうと思ったら「雪氷とけて雨水となれば也」なのだそうです。言葉だけで、その季節の感じというのが判りますよね。昔の人は風流だなあ〜。

もうすぐ立春、とはいえ寒いです。大地も冷え切ってますし、凍て付いた大陸から吹く風も冷たい。日差しは少し強くなってきましたが、コタツに潜っていると、なかなか出掛ける気になれないというのが正直なところです。啓蟄の頃になったら、私も外に・・・。

寒いときには、やっぱり温泉ですね。そこで、昨年入った温泉の中から、印象深かったところを選んでみました。

加賀井温泉一陽館
強烈な印象を受けたという点では、やはりここ「加賀井温泉 一陽館」が一番です。松代の地に湧く、蒸発残留物12680gという、日本有数の濃い温泉です。

左の写真が湯屋です。おそらく数十年前は凄く立派だったであろう、今は鄙びた湯屋の佇まいだけでも、初めて見るとインパクトがあります。

湯屋側面にある休憩所の入口です。
「でんわ・でんぽう」の看板がレトロです。昔の人は電報を打ちにここに来ていたのでしょう。銭湯として、地域の集会所的な役割があったのではないかと想像してしまいます。
湯屋の裏の建物に受付があります。
真っ黒に日焼けした元気オヤジが出てきて、いろいろ案内してくれました。(地元のWebによると、意外にも海洋関係の大学の名誉教授らしいです。)
まずは内湯です。ペンキも剥げ落ちたポンコツな建物に圧倒されつつ、中に入れば・・・

元の材質が何だかわからないほど、床も湯船も析出物に覆われています。黄褐色の濃い湯が掛け流され、湯船から溢れ出ています。
くうぅ〜。たまりませんな。

建物はボロなので、カップルの方とかには不向きだと思います。どっか行っちゃってください
(・・・スミマセン、独り者の偏見です(x_x)☆\。でもカップルの方は国民宿舎松代荘がいいと思いますョ。)

裸のまま建物の外に出て、露天風呂へと向かいます。パイプからもれ出た温泉が、鍾乳石の様になっていました。
途中に源泉槽があって炭酸ガスが湧き出ていました。サイダーが大量に湧いている、そんな感じでした。

 

露天風呂は混浴でした。湯船はたっぷりの析出物に覆われています。

場所的には農家の庭先といった感じです。よくある「渓流沿いの露天風呂」の風情とはちょっと違います。お庭で日向ぼっこする感じでしょうか。気持ちよさそー。

では、私も失礼して・・・
くーっ、気持ちいい〜。ハア−ビバノンノン。

営業時間 8:00−20:00
入浴料   300円
駐車場   無料、大きめ
浅間温泉 枇杷の湯
次に取り上げるのは浅間温泉の枇杷(びわ)の湯、加賀井温泉とは別の意味で、今まで全く体験したことの無かった温泉です。加賀井温泉は、より濃い温泉へというムーブメントの先端を行くことで、有名になった温泉ですが、枇杷の湯は、より上品な温泉ということで、他と差別化されています。その上品さとは、他では狙っても真似できない本物の上品さ。
ココはカップルで行くのが良いと思うよ、この温泉は私には関係ないとこだわさ。
御紹介するのは、城下町松本の奥座敷と言われる浅間温泉。そのなかでもひときわ立派な武家屋敷の佇まいを誇る「枇杷の湯」です。

武家屋敷と、プラ箱背負ったVTR250、似合いません。

と、そんな無駄口たたいちゃいけない感じの、粛々とした佇まいです。頼もーぅ。
玄関から中を覗き込むと・・・、これが日帰り温泉施設・・・(汗)。は、入っていいんだろうか!?

格式が高そう。ちょっと緊張します。だいたい、今のあたしゃライダーの小汚い格好です。いや一応ウェアーは、なけなしの金で買ったゴールドウィンなんだけど、オリンピック選手が沢山着てるんだよ、金メダルだって一杯とってる・・・と言い訳してみても、全然不釣合いなのは明白です。

でも、入っちゃうのだ。

(ゴールドウィンといえば、ヘンリー帆船とかノース顔とかエレッセとかコール男とか、スポーツ&アウトドアブランドのコングロマリットだけど、バイクウエアーでもメジャーなんです。でもよくこれだけブランド集めたなあ、この会社。)閑話休題・・

受付のおかみさんは、にこやかに歓迎してくれました。良かった。

ご主人は代々、お殿様が入る御殿湯の湯守をされていた家柄だそうです。旧家だけあって、掛け軸や骨董品が展示されています。

ここでロンヤス会談が開かれちゃってもおかしくないような、そんな雰囲気さえ感じられます(古い話ですみません)。庭の松はお殿様お手植えだとか。

中の廊下を歩いていきます。採光の仕方が、上質で気品を感じます。こういう演出は、なかなか出来ないものです。
浴室も広くて立派でした。しっとりした緑と、あふれる光。上質です。しかし、お金掛けすぎて、採算合うのかニャ-。いかにも格式の高いお武家様が造ったって感じがするニャ-。
半露天はヒノキ風呂でした。外にはお殿様が入る御殿湯という露天の岩風呂もあるのですが、一旦着替えて歩いていかなければいけません。この日はもうお腹一杯だったので、訪問しませんでした。

お殿様の御殿湯は、訪れる人は少ないらしいです。訪ねてみませんか。

ちなみに、枇杷の湯は元高級旅館で、数年前に日帰り温泉へ業態転換したそうです。

営業時間:9:00〜21:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
入浴料:800円
別所温泉 相染閣
お次に紹介するのは、枇杷の湯とは全く対照的なボロっちい公共温泉です。いや、そのコントラストが面白いかなと思って。
別所温泉の相染閣です。別所温泉自体は、枕草子に詠まれているほどの由緒有る温泉ですが、この建物は「上田市社会福祉センター」です。あまり由緒正しい感じはしません。ていうか、ボロです。

校庭にブランコとかあったりして、40年前に建てられた鉄筋コンクリの小学校みたいな雰囲気があります。

内装も殺風景です。先ほどとは大違い。
でも、湯船に浸かれば・・・

ハァ〜、いい気持ち。
鼻腔をくすぐる硫黄の香が、なんともいえません。

(もっとも、硫黄臭を感じなかったというレポートを読んだ事もあるので、この日は温泉の調子が良かったのかもしれません。「温泉の調子」って結構あるような気がします。雪解けの時期は薄くなるとか、世間ではあまり言われてませんけどね)

自分にとっては、高級な枇杷の湯よりも、庶民的で気軽に入れる相染閣の方が、お気に入りだったりします。なんといっても、温泉の決め手は「浴感」だと思いますし。あまり人に大推奨するところではない気はしますが。

営業時間:9:00〜16:00  入浴料:220円
営業時間:17:00〜22:00  入浴料:150円
   定休日:毎週月曜日

えびの市営露天風呂

今年入った温泉のベストは、九州は霧島山系の山の温泉「えびの市営露天風呂」です。

訪れたのは夕方でした。えびのスカイライン、韓国岳の荒涼たる山肌を駆け抜けた先に、その温泉はありました。

温泉のすぐ側に、爆裂火口が口を開けていました。荒涼たるこの風景が、この温泉を特別なものにしているのだ、と思いました。

受付の建物です。ここから3分くらい山登りしたところに露天風呂があります。
薄く白濁した、とてもきれいな温泉でした。

標高1700メートルの韓国岳に吹く風は冷たかったですが、お湯はあったか、気持ちいい!

溢れ出たお湯が、下界へと流れ出ていきます。この光景は、とても心地よいものでした。
いつか・・・・・、再訪してみたいナ。
営業期間 9:00〜19:00 年中無休

利用料金
大人:200円(中学生以上)
小人:150円(小学生まで)

駐車場:中くらいの大きさ、無料

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