ツーリングレポート

最果ての地へ!大隅&薩摩半島ツーリング+九州の大規模林道を探る PART3

〜大隅半島東岸、佐多岬、薩摩半島、大規模林道 宇目・須木線、宇目・小国線、竹田城址を訪ねて〜

3日目 野間半島周回

訪問日:2008年3月

桜島〜桜島フェリー  
午前5時にキャンプ場を出発、とりあえず桜島を目指して走る。

鹿児島湾沿いの道は結構交通量が多いので、出来れば走りたくなかったのだが・・・。

と思ってはいたものの、湯之平展望台への道を登っていくと、桜島の壮大な雄姿が眼前に展開。前回は逆側から登ったので、こんな素敵な展開が有るとは気づかなかったのだ。素晴らしい!
しかしゴッツイ山やなー。
新たな発見に気を良くしつつ、桜島フェリーに乗船。

桜島フェリーは驚くべきことに、朝夕は10分毎、昼15分毎で24時間運行している。気ままな旅にはうってつけなフェリーだ。

とりあえず出航の写真だけカメラに収めて、急いで階段を駆け下りる。なぜならバイクがやばい

このフェリーのもっと驚くべき事は、バイクの固定を一切しないということだ。おかげで、到着までずっと倒れそうになるバイクを押さえている羽目に。

フェリーからじっくり眺めようと思っていたのに、桜島が見えない・・・チョットガッカリ。

左手でバイクを支えつつ、右手でデジカメを構えて対抗船を撮影してみた。なんか、妙に重心が高そう。現代の船の形じゃないような、海賊船っぽいというか・・・嵐が来たら難破しそう。内海はこういう形でも大丈夫なんだねぇ。(外輪船をイメージしたデザインらしい)
鹿児島市内〜広域農道  
鹿児島市内に到着し、産業道路を南下していく。反対車線は通勤渋滞中。

これがあるから都市部は避けて通りたかったのだが。しかしまあ、市内にはバイクが沢山走っていて、二輪レーンもあり、割と走りやすかった。次第に暗くなっていく空を気にしつつ・・・。

暫くすると雨が本降りになってしまった。カッパを着るタイミングを逃し、ずぶ濡れ・・・。(一応ジャケットとパンツは防水透湿仕様なので中までは浸水しないが寒い)

そこで尾根上を通る指宿スカイラインは回避し、平行して中腹を通る南薩摩東部広域農道で南下することにした。

この広域農道、とにかくカーブが多く指宿スカイラインよりタイトコーナーが連続するほど。

折角大金を投じて造った新道なのだが、曲がりすぎてて時間が掛かる為か、平行して走る国道226号線が混雑しているにも関わらず、交通量が流入してきてない。かといってさほど農業振興の役に立ってるとも思えないし・・・。

もうちょっと真っ直ぐ作らないと、使う人居ないよ?と思いつつエンジョイライド。雨だけどね・・・。

農道は最後だけ超ロングストレートだった。うーん、どうせならR226バイパスにしちゃえば良かったのに・・・税金のムダづ・・・。

農道はここ喜入で行き止まりなので、県道17号線(指宿スカイラインの続き)にスイッチ。

指宿スカイライン  
尾根に上がって快走。指宿スカイライン頴娃IC以南の無料区間はチョッと改良しすぎな感じ。ちなみに頴娃IC以北の有料区間の方がワインディングしていて楽しい。
ほぼ全線尾根筋を走るので、随所に展望台がある。黄砂の影響で遠望が利かない・・・残念!
ちょっと晴れてきたかな。ジャケットが段々乾いていく・・・のだが気化熱で体温が奪われて寒い!
池田湖畔まで来て、やっと開聞岳が見えてきた。
開門温泉  
寒い〜、真冬の朝にびしょ濡れで走ってきたのだからそりゃそうだ。そこで開門温泉を訪ねてみた。鹿児島は200円位の安い公衆温泉が沢山あるのが良いなぁ。
クーッ、癒される〜。お湯は濃厚で鉄分と塩を煮込んだスープに入ってるよう?個人的には旅の疲れが癒されて大満足。

しかしこれがまた色々な意味で強烈な温泉だった。何と言うか・・・

凄いB級っぽい。たぶんLTC読者の8割は引くと思う。注意書きが山のように貼ってあって読むと笑えるのだが、ここは濃い温泉マニア&B級マニアにのみお勧めしたい。

キャンプ場の人にこの辺りのお勧めを聞いたら、ヘルシーランド(山川砂むし温泉の近くの超絶景露天風呂)と言っていたので、念のため書き添えておきます。普通の人はヘルシーランドとかに行きましょう。)

西大山駅  
さて、温泉を出て、畑の中をのどかに走り、
やって来たのは西大山駅本土最南端の駅である。沖縄モノレールが出来るまでは日本最南端の駅であった。

うららか〜

菜の花が咲き乱れ、ホームから開聞岳が見えて、絵になるいい感じの駅であった。

しかし、東京まで1550キロかぁ・・・遠くまで来たなぁ・・・。

枕崎  
枕崎まではR226ではなく、平行して走る南薩広域農道を選択してみた。バイパス化して交通量が多いのかと思ったら、空いていた。

・・・のはいいが、ここでまた土砂降りに・・・。

雨ですっかり戦意喪失したので、ツーリングマップルで紹介されていた一福というお店で、鰹定食を頂くことにした。これで900円位だったかな。

自分の場合、プライオリティーが走ること>>>>>食べることなので、料理屋でゆっくり食事をすることはあまりないのだが(冬は日が短いし、食事が出てくるまでの時間が勿体ない、走り出したくなっちゃう)、雨だし・・・一応枕崎市の公式キャッチは「太陽と鰹の町」となってるし・・・

ちなみに、一福は枕崎駅前にある。その枕崎駅というのが問題で・・・

駅前広場に居るらしい?のに駅が見つからない。探しても有るのは大型スーパーと薬局の看板ばかり。

駅はどこ?

ようやく駅の看板を発見。ひと気の無い路地を辿ると、
スナックと薬局の裏にホームが有った。無人駅なのはいいとして駅舎どころか待合室すらなく、有るのは線路とホームだけ。

ここが線路の南の始点か・・・なんて所だ・・・。

駅舎無しで済んでしまうとは、地方での鉄道の地位凋落を示しているのだろうか?(旧駅舎は解体され大型スーパーになったらしい、って普通ステーションモールとかにしないか?)

坊津〜野間半島 R226  
枕崎から国道266号線で坊津(ぼうのつ)向かう。道路の方は狭広混在だが、思ったほど走り難くはない。
坊津漁港を過ぎると、道はリアス海岸に沿って高度を上げていく。
残念ながら小雨が降り続き、天気は悪い。やがて道端にコンクリート造りの展望台を発見。登ってみると・・・
坊津港を眼下に望む事が出来た。坊津港は遣唐使の出発港だったという。川崎からここまで、馬が32頭居るバイクを使ってすらメチャ遠い道程だったのだが・・・

昔の人は更に、ここから遠く唐を目指して旅立ったのか・・・。人の遠方への執念を想う。

鑑真が上陸したのも坊津。753年、鑑真67才の時である。759年に唐招提寺建立、763年に没している。ちなみに唐招提寺平成大修理落成は来年度の予定。

視線を右に移すと、穏やかな砂浜風景が目に入った。丸木浜という。晴れていたら凄い綺麗な海のハズ。
悪天候なので、写真でその絶景度を伝えられないのがもどかしい。しかし、この今代鼻という展望台は凄い絶景である。もし訪問される方は、是非立ち寄って欲しい。
さらに西へ走る。地図から想像したとおり、車一台がやっとの狭い区間もあるが、写真のように2車線区間もあり、走って楽しい道路だった。
対向車はほとんど来ない。冬なのに、もこもこと緑茂る照葉樹林が目を楽しませてくれる。やっぱり鹿児島は冬がいい(「冬でも良い」かな)。
次第に漁村が姿を消し、人の気配が無くなってきた・・・。
あまりの寂しさにゾクゾク。
探しても人家は見えない。地形的な厳しさが、人を近づけて来なかったようだ。
圧倒的な最果て感が漂う・・・

しかしなぜか、荒れ狂う海はエメラルドグリーン。晴れていれば美しいのだろうと想像出来るが、これはこれで素敵。あまりの最果て感と寂しさに心がトキメク(なんじゃそりゃ?)

野間半島の先端、野間岬が見えてきた。
野間岬  
野間半島から更に突き出た岬が野間岬である。

岬には風力発電所の狭い管理道路が通じているだけ。車一台がやっとの凄く狭い道だ。全長3kmほどの大きな岬だが、ここはもう人の住む所ではない。それだけ辺鄙ということか。

野間岬ウインドパーク。小さな駐車場と展望台があった。
野間半島の北岸は改良済み区間が多くなる。それだけに交通量もそれなりに有り、南岸程の魅力は無い。雨も次第に本降りとなり・・・
かいもん山麓ふれあい公園オートキャンプ場  
ツーリングマップルおよび公式HP上で通年営業24時間常駐と表記されていた吹上浜海浜公園キャンプ場泊を目論んでいたのだが、訪ねてみるとNG。一人泊まるだけでも警備員当直が必要とのことで、こちらとしても勘弁。

うーんどうしよう。土砂降りの雨の中で困惑。ハッ、もしかして南薩で最もメジャーな(百名山の登山口に在って登山者が多い)キャンプ場なら開いているのではないか?

ということで開門町まで戻り、かいもん山麓ふれあい公園オートキャンプ場を訪ねるとOKとのこと。700円を支払い泊まることにした。

山奥には有るものの、キャンプ場から町の中心部までは1キロ程。雨の合間をついてバイクで出撃。コンビニで買い物をし、向かいの24時間営業コインランドリー(最近のコインランドリーにはシューズ用の機械もある)で濡れたトレッキングシューズを洗濯しつつ、足を乾かしつつ、夕食を食す。

しまった、ここで洗濯出来るんだったら、着替えを減らせた・・・(冬のロングツーリングは着替えが多くなりがちで苦労するのだ)。

翌朝の、かいもん山麓キャンプ場である。晴れた!

開聞岳の素敵な景色に広い芝生、コンビニやコインランドリーも近くて便利、しかも通年営業の貴重なキャンプ場である。

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