ツーリングレポート

丹後・但馬・出雲大社・山陰広域農道探索ツーリング PART3

〜2日目、出雲大社参拝&三瓶山、日野、東城付近の広域農道・大規模林道探索〜

訪問日:2013年6月15日(一泊二日)  掲載日:2014年12月05日

2日目のルート図

探索の為にジグザグに走っています。これがお勧めという訳ではないです。
(c)OpenStreetMap (c)LODGEMOTIVE
米子から出雲へ
AM6:38米子のネットカフェを出発。大山のシルエットが見えていますが、今日の主目的地は出雲大社!2013年5月に平成の大遷宮が完了しています。
前回(2009)参拝時は工事中で見ることが出来ませんでしたが、今回は見れるはず!
途中、松江城とか宍道湖とか色々観光地はあるのですが、今まで何度か訪れているので、今回は出雲に直行です。
出雲ICで降ります。
旧大社駅  
出雲大社の少し手前にある旧大社駅に寄り道してみました。
旧大社駅は大正13年竣工、1990年大社線の廃線とともに廃止されました。国の重要文化財、近代化遺産に指定されています。
中に売店などもあるのですが、朝なので誰も居らず、私一人だけ。
団体用改札口を通ってホームへ。昔は修学旅行などで沢山の人が利用したのでしょう。
繋がらない線路に置かれたD51、
線路もホームも綺麗で、まるで現役の様相。それなのに切り離されてしまった線路が、哀愁を感じさせます。

高校生の時に青春18切符を使い、夜行で訪れたことがあります。
当時は京都から出雲まで夜行の鈍行列車があったんですよね。
タイムスリップしたような感覚を覚えました。

出雲大社  
再びバイクにのって、少し走ると出雲大社正面です。左折すると駐車場、右折すると県立博物館があります。県立博物館は前回訪問したので、今回は駐車場へ。
出雲大社の無料駐車場。隣のハーレーが凄まじくピカピカで高そうだったので、立ちごけの可能性はほぼ無いけど100%無いとまでは言い切れないし(その日は強風だった)、倒れて隣のバイクを壊した場合は対物保険でカバーされるんだろうか?などと思いつつ、ズラして停めました。なんかフェラーリーの横に停めるような緊張感が・・・。
駐輪場は朝だったので空いていましたが、日中はかなり混雑するとのこと。
(今年のお盆の出雲大社は5km位手前から渋滞してたとのこと。大ブームですね。)

手前が拝殿、奥が本殿になります。主祭神はオオクニヌシ。

一周してみましょう。

平成の大遷宮を経て、素晴らしく綺麗な本殿。

背後には素鵞社。スサノオノミコトが祀られています。ちょっと「おどろおどろしい」ところがスサノオっぽくていい感じです。古事記の中で、スサノオがスセリヒメと恋に落ちたオオクニヌシを蛇やムカデを使って試す場面を思い出しました。

姉のアマテラスに高天原から追い出されて出雲に降り立ち、ヤマタノオロチを退治してクシナダヒメを助けたのがスサノオ、スサノオの娘スセリヒメを試練を経て勝ち取り国造りに励んだのがオオクニヌシ、というのが国つくり神話のおおまかなあらすじとなります。神話の世界が目の前に展開する感動というのは、もう何と言ったらいいのか、とにかくカッコイイ場所だと思います。 

ちなみにアマテラスからの使者でオオクニヌシに懐柔されて出雲に残ったのがアマテラスの子のアメノホヒで、その末裔が出雲国造家です。(先日ご結婚なされましたね)。

神話といいつつ現代にも結びついているというのが流石というか、何というか。

青空や緑と、檜皮葺の茶色のコントラストが鮮やか。

稲作文化の日本列島への急速な伝播は、出雲と大和勢力によるものが大きく、それを統合・象徴化して描いたのがスサノオ、そしてオオクニヌシ(オオモノヌシ)の国つくり神話と言えると思います。国つくり神話というのは森の民の狩猟文化から稲作文化へ、縄文から弥生へと転換していく古代史を、(多少強引に)物語として作り変えた話と言えるでしょう。(どう作り替えられたかを想像するのが恐らく古代史ファンの楽しみ。ヤマタノオロチからの草薙剣の取得を鉄器技術の取得の暗喩と捉えることも出来るなど。)

二千年前、日本という国が形成された頃の物語の舞台が実在する、非常に興味深いことです。

奉納山〜くにびき海岸道路〜R9
出雲の有名な神社等は今まで大体訪問しているので(ツーレポにもしています)、初めての場所に行ってみようということで、隣の奉納山を訪ねてみることにしました。登山道は舗装されていてバイクで走れるものの、1車線ギリギリの狭さ。幸い、人であふれる出雲大社と違って空いていたので助かりましたが。
山頂には展望台がありました。誰も居ませんでしたが。

遠くには三瓶山。中国地方には珍しい現在進行中の活火山です。
国引き神話の杭になった山ですね。そう思うと行ってみたくなります。

てことで、くにびき海岸道路を走って三瓶山に向かうことにしました。まあ3回めの訪問なんですけど。
国道9号線に入りました。

幹線道路ではありますが、山陰本線と日本海に挟まれた風景が旅情を誘います。

県道286〜大邑広域農道〜三瓶山  
県道286に入りました。のどかな山村風景が素敵です。
この道、途中で極狭路になってしまうのですが、現在改良工事中です。将来的には大邑広域農道と接続して三瓶山に行けるようになる予定です。(H27完成予定)
新道工事現場を横目に極狭路を走って大邑広域農道に出ました。ループ橋もあったりして、なかなかいい広域農道です。

三瓶山に到着しました。山の周りを一周します。

大山のような凄くダイナミックな場所ではありませんが、
緑が豊かで、キャンプ場や温泉もあるので、
滞在してのんびり過ごすエリアとしては良さそうです。

三瓶山高原道路。地味ですねー。
西の原のあたり。
県道40〜大規模林道日野金城線〜R314  
その後は県道40で東へ向かいます。
結構いい感じのワインディング・ロードです。
大規模林道日野金城線に乗り継ぎます。
交通量は極小。人が住んでいませんw。
中国地方は国道や県道より、広域農道や大規模林道を走った方が気持ちいいです。

中国地方は恐らく一番広域農道や大規模林道が発達したエリアだと思います。広域農道事業の多くはウルグアイ・ラウンド(農業市場開放)対策事業(1986から6兆円規模)で開始されていますが、人口に比して島根県出身の政治家の力が強かったとか、そういうのが影響していると思います。(大規模林道関係は竹下元総理が政治側のトップ)

という訳で結構長くていい道なのですが、難点はツーリングマップルで白い道になっていること。交差点にも案内がありませんし。仕方なく交差点で「それっぽい道」を選択して進んで行ったら無事完走出来ましたが、迷う事も多く、次も間違えないとは言い切れない感じ。相当綿密に下調べ(大規模林道関連の行政資料等を当たって揃えないと)確実には辿れないでしょう。お勧めしたいけど、お勧めし難い・・・。
大規模林道事業が頓挫して穴が空いた区間は、農道で埋めてあります。ふるさと農道事業でもだいぶ配りましたしね。

R314に入りました。前方にはおろちループ。

全貌がなかなか見渡せない巨大ループです。隣にスイッチバックを有する木次線が走っていて、いい雰囲気。
適度にワインディングが続きます。交通量はほどほど。
R183に接続。こちらも適度なワインディング。
東城広域農道・奥日野広域農道・日野広域農道
いわゆる東城広域農道に入りました。この道は所在県や予算の引っ張り方で?名称がいろいろ変わります。南の端は大規模林道栗倉木屋原線です。色々なところから予算を引っ張って一本の道を作っている模様。
日野金城大規模林道と違って、こちらはツーリングマップルに黄緑色で描かれていますので、辿るのは容易です。
三国山トンネルで道後山の中腹:広島と鳥取県の県境を越えます。このあたりが島根・鳥取・広島・岡山の県境となります。
東城は広島の地名、日野は鳥取県の地名です。おそらく県境を越えると道路名が変わるのでしょう。
2010年完成、最新鋭のトンネルなのですが、数分に一台しか車が通りません。トンネル内でのんびり撮影も可能。勿体無いので使わなければ。
続いて若杉トンネルへ。ここから奥日野広域農道の看板が出てきます。つまり鳥取県に入りました。
出来たてホヤホヤの新道です。
誰も通らない・・・
県道11を短かく経由して、再び奥日野広域農道に入ります。この辺りはストレート主体で平凡。
日野広域農道へ接続します。この道も正式名称は色々あるようです。

農道を崖っぷちに建設する理由がサッパリ分かりませんが、風光明媚です。

タイトコーナーが連続。
特に県道210と接する竜王滝から金持神社までは、高所感もあってGOOD!
大山が見えてきました。このまま大山方面に向かうのがルートとして吉だと思いますが、そろそろ帰路につかないといけないので・・・。
R181に入りますが、こちらは物流街道のようで登坂でトラック数台の列の後ろにつくことに。対向車もトラック多し。東へと向かい・・・
美作北2号林道  
津黒高原までやって来ました。お目当ては美作北(みまさかきた)2号林道。
反対側の入口が人形峠の頂上付近にあって、通る度にいつか入ってみようと思っていた道です。今回はやっと時間が取れました。
津黒高原スキー場ゲレンデの中を登っていきます。曇ってしまいましたが、晴れていれば大山まで見えていい景色のハズ。
だいぶ登ったところで通行止めの看板が。ええぇー、ここまで来てそれかよ・・・。今更引き返す気はしないので、スミマセン突っ込ませて頂きます。
路面もまあまあ、道幅も1.5車線と広くもありませんが、狭くて困るほどでもなく。登るに連れて開放的な感じに。
中国山地には珍しく、高所感がいい感じの舗装林道でした。のんびり散策するにはいい道だと思います。気に入りました。
R179旧道の人形峠に出てきました。そういえば崩れたり工事している箇所はありませんでした。通行止めの看板は何だったのか。
あとは、行きに通ったR482辰己峠を再び越えて、東へと急ぎます。
鳥取自動車道〜中国道〜名神〜中央道〜諏訪〜茅野
全線無料の鳥取自動車道を走って、中国道に合流。
あとはひたすら高速道路を走るだけ。とは言ってもETC深夜割引半額ながら高速代が勿体無いので、飯田山本ICで降りて下道を走り午前2時に茅野到着、24H営業の西友で買い物。午前3時頃、帰宅3分前に鹿とぶつかりましたw。
時速30km位で鹿を押していってお互い倒れることなく停車。鹿はすぐ逃げて行きました。幸いダメージは無く(ヘッドライトと自分の膝が毛だらけでしたがw)、帰宅することが出来ました。
中国地方山間部は広大な田舎です。大山を除けば凄くダイナミックという訳ではありませんが、沢山ある広域農道の周りには長閑な農村と山村風景が広がっています。火山が少ない割には温泉も一杯ありますし、神話のふるさとだけに名所旧跡も沢山あります。またのんびりとツーリングしてみたいエリアだなと思いました。
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