ミニレポート

井戸尻遺跡と立場川橋梁

〜長野県富士見町散策〜

訪問日:2013年5月9日  掲載日:2013年5月10日

プロローグ

新緑に包まれる立場川橋梁

井戸尻遺跡から眺める甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山。

井戸尻遺跡へ  
小淵沢から井戸尻遺跡に向かいました。GWが開けたらいつの間にか新緑真っ盛り。
地元民がたまに通るだけの道ですが、結構いい感じの道です。
国道20号線の走る谷間から高度を上げていきます。
井戸尻遺跡にやってきました。
井戸尻考古館の公式サイト
グーグルマップ
八ヶ岳の裾野は狩猟民族である縄文人にとって格好の生活場所でした。豊かな森には動物も森の幸も豊富だったからです。縄文期は気温も今より高めでしたし。
展示方法と規模では茅野市の尖石縄文考古館の方がインパクトがありますが、こちらの方も時の変遷が大量展示で明らかになっていて見応えがありました。古代史好きな方にお勧めします。

井戸尻遺跡駐車場から眺める甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山。
この日は春霞が酷く、逆光と相まって景色はぼやけてしまっていましたが、
でも気持ちいい景色です。

ただ、丁度いい位置にスーパーハウスが・・・。
一応富士見町の主要観光地の一つな訳ですし、
もうちょっと景観にも気を配って欲しかった気がします。
中央本線 旧立場川橋梁  
井戸尻遺跡を後にし、中央線沿いに走る農免農道を通って中央本線旧立場川橋梁へ。かなり特異な廃橋であり、近代化遺産ですが、普通の道で簡単に接近出来るのがいいですね。
グーグルマップ

この状態のまま残されているというのが不思議な感じがします。ここまで錆びてしまうと復旧にも多額の費用がかかるでしょうし、この橋はこのまま残されていくのでしょうか・・・。

この橋の面白いところは、築堤の上まで簡単に登れるということです。一応整備された歩道を少し登ると・・・
築堤上の路盤の上に立つことが出来ます。
少し傾きつつ続いている電柱がいい雰囲気。
さすがに橋の上は立入禁止になっていて、柵でがっちりガードしてあります。

明治37年(1904)開通のボルチモアトラス、昭和55年まで使われていた近代化遺産です。
wikipediaによると現在は富士見町が2つのトンネルと共に無償で譲り受けているとのことで、
近代化遺産として整備する案もあったようですが、
莫大な維持費がかかるということで、町の文化遺産としての指定は断念する方向の模様。
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=16602/
今後の動向が注目されます。

ちなみに同時期に作られた同形式の橋としては磐越西線の一ノ戸川橋梁(1908)があります。
こちらは現役でSL撮影スポットとして人気があります。(カタログ地図にも位置は記載)

隣には現役の立場川橋梁が走っています。こちらは近代的なPC(プレストレストコンクリート)橋ですね。
反対側には中央道と八ヶ岳エコーラインの橋梁を望む事が出来ます。
では少し橋と反対方向に歩いてみましょうか。
枕木を踏みしめながら進んでいくと・・・。
新緑の中にトンネルが姿を現しました。橋からトンネルまでは歩いて3分ほど。

水路として使われているようです。

恐らくこのトンネルも明治期の中央本線が開通した当時のものでしょう。
モルタルが剥離してレンガが見えていました。
(剥離して危ないのでモルタルは塗らない方が良さそうな気がしますが)

先まで歩いていけそうですが、遠慮しておきました。
トンネルの先も普通の印象的な廃線跡の風景が広がっているようです。
興味がある方は歩いてみてはいかがでしょうか。
あ、でも剥離したモルタルが落ちてくる可能性があるでしょうから、
ヘルメット(工事現場用等)を被って、あと長靴を履いて、自己責任で。

鉄道ファンの間では有名な橋ですが、平日ということもあって誰とも出会いませんでした。
そういえば前回訪問時も自分ひとりだったし。不思議な空間でした。
機会があったら訪れてみて下さい。
国道20号線から狭い川沿いの道を辿ってアプローチすることも出来ます。

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