シリーズ R361とその周辺
ミニレポート

R361旧道を行く

〜木曽から飛騨へ。バイパス化著しいR361の旧道を訪ねてみる〜
 
訪問日:2007年9月中旬  掲載日10月13日

今や休日には快走ツーリングルートとしてバイクが溢れる国道361号線だが、昔は走っていて不安になるような、山奥の寂しい道だった。

道の様相を一変させ、木曽と飛騨を結ぶ快走路としての地位を確率したのが、新地蔵トンネル1645m(1987年)、権現トンネル1964m(1994年)の開通である。さらに美女峠は昔から難所であったが、2005年に長大な飛騨ふるさとトンネルが開通し、高規格農道が国道を代替している。

便利になるのは良いのだが、旅という面から見ると、面白みは減りがち。そこで、今回は旧道をメインにして走ってみた。

R361旧道、地蔵峠  
木曽福島からR361で飛騨へと向かう。開田村まではほぼ改良がすみ、2車線快走路となっている。峠は長大な新地蔵トンネルで越えている。
旧道に入ってみた。道幅は1.2〜1.4車線程とかなり狭い。
暫く進むと滝を発見。
バイクを停め、5分ほど歩くと滝壺の側に出た。人影も無く、寂しい割にはかなり巨大。滝壺に寄れるのも珍しい(夏なら入れそう?)。

その名を唐沢の滝という。高さは60メートル(100メートルという説もある)。昔は高さ130メートル程もあったらしいが、上部を通る国道の改修に伴って短くなってしまったそうだ。

縮められてしまった上に知名度も低く、ちょっと不憫な滝である。

滝を後にし、一気に高度を上げて、今度は滝の上を通る。

道は断崖絶壁に張り付くように通る。この険しさも、開田村が近年まで閑寂さを保っていた理由の一つだろう。

地蔵峠を越えると、御嶽山の雄姿が目に飛び込んできた。ただし時刻は昼の1時半、逆光でイマイチ。
R361 開田村  
地蔵峠を下って開田村でR361バイパスと合流。この区間は多少狭いが、開田村の美しさを象徴する道である。
村を外れると2車線となり、長峰峠越えのワインディングを経て、岐阜県へ入る。
岐阜県側は川沿いを走る。
渓流とダムの繰り返し。

水辺の風景が美しい。
高根ダム湖の脇に、一カ所だけ昔の雰囲気を残す狭いトンネルが残る。このトンネルの先は直角カーブなので注意。
R361旧道 朝日ダム区間  
この赤い鉄橋を渡ると権現トンネルとなる。手前の枝道に入ってみると・・・。
いい感じの旧道が続いている。
夏草が伸び放題で、路面にも砂利が積もっており、通行量はほとんど無いように見受けられる。
トンネルが見えてきた。崩落は無さそう。行ってみよう。
誰も通る気配は無い、忘れ去られたトンネル。
暫く走るとコンクリートブロックが出現。簡単に動かせるような物ではなく、ほぼ恒久的な通行止め措置といっていいだろう。

この先は無理なのかと思っていたら・・・

行けました。
美しい山河が続く。

そうそう、初めて361走ったときは、こんな景色が、延々と続いて印象的だった。

 

景色は美しいが、近くに採石場か何かがあるらしく、途中からダンプが頻繁に走る道となってしまった。という訳で、残念ながら、あまりお勧めは出来ない。

旧道突入してから30分程で新道に合流。新道も通ってみたが、ほんの5分程であっけなく通過してしまう。トンネルの開通で、道の印象は随分変わってしまった・・・・。

しかし、旧道は通行止めなのに崩落箇所すらない、不思議な道であった。観光用の紅葉ロードとして整備しても良さそうな感じである。

国道361号美女峠vs飛騨ふるさとトンネル(農道)vs飛騨農園街道
R361のもう一つの難所が美女峠、薄暗い山林を通る1.2車線の時間がかかる道である。(写真は2車線あるが、この先狭くなってしまう)。未だに地図上では国道指定されているのだが、現実には林業関係者以外の通行はほぼゼロ。
2005年に開通した飛騨ふるさとトンネルが国道を代替している。難所だった美女峠を、ほんの数分で抜けてしまう。

さて、実は美女峠越えの道がもう一本ある。飛騨農園街道という。これが2車線ながらも・・・

交通量皆無の快走路。
かなり走り甲斐のあるワインディングロードとなっている。

さて、R361旧朝日村役場前と、R41を結ぶ広域農道が工事中?である。そろそろ開通しても良い頃だと思うのですが、誰かしりませんか?

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