九州ツーリング PART2

〜目指せ開聞岳の巻〜 訪問日:2006年3月2日〜9日  掲載日3月26日

R388 日豊リアスライン  
さて、九州上陸の実質1日目である。まずは宮崎県日向に向かって南下開始だ。

大分〜日向というと、国道10号線がある。10という歴史ある2桁国道の割には深い山中を走り、交通量も少ない快適国道だが、何時も同じ道を走ってもつまらない。

そこで、海沿いを行くR388日豊リアスラインを走ってみることにした。リアス海岸をトレースする風光明媚な道だが、不思議とツーリングマップルではお勧めルートに指定されていない。何があるのだろう?

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キャンプ場を出発して暫らく走ると、道沿いに人だかりを発見。何事かとバイクを止めて話を聞くと、日の出が見えるとのこと。地元の方々に引き止められて、一緒に見学することにした。

見えた!

後で調べたところによると、ここは豊後二見ヶ浦と呼ばれ、日豊海岸のシンボル的存在らしい。2つの岩を結ぶしめ縄は、長さ65メートル、直径75センチ、重さ2トンで世界一の長さを誇り、ギネスブックにも登録されているそうだ。

ラッキーなスタートが切れた。VTRも絶好調!

海沿いを走るR388日豊リアスライン。一部狭路もあるが、半分位は改良されていて、さほど走りにくくはない。
しかし、期待したほど爽快な道でもなかった。辺鄙な(失礼)場所ではあるが、さすがに漁場が良いのか漁村が続き、生活色が濃いのだ。
かといって漁村の方々は運転が荒っぽい傾向にあり、まったり走る雰囲気でもない。

同じ九州の海岸線を辿る道でも、人口の少ない大隈半島東岸の道あたりと比べると、残念ながら日豊リアスラインの爽快度は格段に落ちると思う。ただ、海はきれいなので、時間がたっぷりある人なら走ってみてもいいと思う。
日向岬  
宮崎県に入ると、景色は冬枯れた茶色から常緑の緑へと変化し、南国の色彩が濃くなっていく。より南国らしい景色を求めて、日向岬を訪れてみた。

日向岬は長さ3キロ、幅1キロほどの小さな半島である。ありがちな観光地だと思って期待していなかったのだが、島全体が公園の様になっており、散歩気分で走ると意外に楽しい。
岬まで10分程の遊歩道も、なかなか楽しかった。スッゴイ観光地ではないが、非日常的な感じがしてお勧めである。詳しくは今月の風景日向岬を参照されたし。

宮崎南下  
宮崎県内の国道10号は幹線かつ単調でつまらないので、平行して走る「日向灘沿岸北部広域農道」を南下してみることにした。この道、信号少なくペースは速いのだが、抜け道として使われているせいか、意外に大型トラックが多い。それに道幅に余裕が無い割には、道路沿いに保育園があったりして、積極的に走りに来たいだ道とは思わなかった。ただ移動ルートとしては価値があると思う。

途中、西都原古墳群に寄ってみた。数百の古墳が並んでいたが、失礼ながら古代人の見栄の張り合いを見てるような気がして、イマイチ。

綾の照葉樹林を訪ねて  
山に向かい、綾の照葉大吊橋を訪ねてみた。山峡を登るにつれて広大な照葉樹林が広がり、バイクで走っているだけでも楽しい。
やがて、大きな吊橋が見えて来た。駐車場(無料)にVTR250を置き、利用料300円を払って橋へ向かう。目にも鮮やかな照葉樹林が素晴らしい。
高度がありすぎて現実感が乏しくなってしまうせいか、吊橋を渡ってもさほど恐怖は感じなかった。それよりも、取り巻く照葉樹林の方がインパクトが強かったのである。
そして、橋を渡った先が良かった。緑に囲まれた楽しげな遊歩道が続いていたのだ。
な、なんだ!この鮮やかに萌える緑は・・・。
今まで冬枯れた景色ばかりを見てきたのに、ここでは信じられないほど鮮やかな緑の景色が続くのだ。常緑樹の新緑更新は4〜5月でその頃の方が綺麗だそうだが、3月でも十分鮮やかな緑を見ることが出来た。しかし林相は若め。どういった利用がされて来たのだろう。
数分歩くと滝が姿を現した。
森の中は暖かく、重装備の自分は汗だくになってしまった。岩の間から湧き出る水が、冷たくて気持ちいい!
「水が冷たくて気持ちがいい」だって。昨日まで雪に怯え、寒さに震えながら走っていたのだが、この差は何だろう?冬の宮崎って、いいところだな〜。
遊歩道がこんなに立派なのは何故?
不思議に思って辺りを見回すと、その手がかりを発見することが出来た。ステンレスの手すりが付いた近代的な歩道橋は、古い石造りの橋脚に載っていたのだ。どうやらここは、森林鉄道の跡を遊歩道化したらしい。この辺の企画の上手さが、観光振興の鍵なのだろう。
近年、この綾町を訪れる観光客は倍増し、年間100万人を越えるという。凄い隆盛である。綾町は数十年前から林業振興よりも自然生態系保護に舵を切って産業観光を目指し、町興しで大成功を収めた。その先見の明には驚かされるばかりだ。

(近年観光客が増えたのは、照葉樹林文化論の隆盛と、それに影響を受けた映画(もののけ姫)がヒットしたことが大きいと思う。しかしタイミングの良さが凄い)

森を縫って、再び町へと戻る。快適なツーリングが続く。
霧島  
えびのスカイラインからR233に入り、霧島山系の高千穂峰を掠めて鹿児島を目指した。
霧島周辺の素晴らしいところは、濃密な照葉樹林だと思う。分厚い葉に日光が遮られた、時に薄暗いほどの森を縫って走るのが楽しい。
たまたま、高千穂山をバックに菜の花畑を疾走する特急を撮影することが出来た。更に南下。
蒲生の大楠  
夕方、鹿児島の蒲生にやってきた。ここには日本一の大木がある。
推定樹齢1500年、樹高30m、根周り33m、幹周り24m、中の空洞直径4.5mの大クス。さすがに空洞への扉は閉じられていた。中はどうなっているのだろう?
蒲生でキャンプ
ほどなく日没。早朝出発した割に距離が稼げなかったのは、海岸線の長い日豊リアスラインで時間を食ったから。とはいえ、日の出から日没までよく走った。

この日は町外れの森にある住吉池公園キャンプ村に場所を借りてテントを設営した。ちなみに、蒲生町のHPによると入村無料、夏季のみ営業とのこと。

10分程バイクで走り日帰り公共温泉の「くすの湯」を訪ねた。泉質はナトリウム塩化物炭酸泉だ。源泉良好で、それだけで勝負して欲しい気がするが、低周波とか過流浴槽などがゴチャゴチャとあるのが少し残念(鹿児島の温泉はこういった付加装置が多いらしい)。施設の整った立派な日帰り温泉だが、料金250円とリーズナブル。(但し石鹸無し)

夕方の気温は10度ほどと暖か。コンビニと安売り系ドラッグストアーで買出しし、湯冷めすることも無くキャンプ場に戻ることが出来た。

深夜のだれも居ない湖。周囲には全く人家が無い。恐い〜、恐いョー(笑)。

恐がっていてもしょうがないので、他に泊まる予算が無いからと割り切って寝てしまった。貧乏って強い!

写真は朝のキャンプ場である。ツーリングマップルにも載っているし、夏は盛況だと思う。

ちなみに、キャンプ場は写真中央の山中にある。・・・そりゃ夜に一人で入ったら恐いって(^^;)。

PART3へ続く

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