第3回

関川流域広域農道+東頚城広域農道

上越の雪深い山岳地帯と棚田を縫って走る長大な広域農道
(走行2006年6月)



日本の快く走れる道を取上げていこうという、このシリーズ。マイナーからメジャーな道までバランスよく取上げていこうと思っていたのですが、3回連続してマイナーな道になってしまいました。しかも、2車線の整備された舗装路としては、おそらく日本一マイナーな道に。

3回目に取上げるのは、関川流域広域農道+東頚城広域農道です。ググってもツーリングやドライブ情報が全然出てこなかったので、どうせショボイ農道だろうと期待せずに訪れたのですが・・・

出だしの2キロ程は1.5車線でチョイ荒れ気味ですが、その後は幅員7m2車線フルスペックの道が延々と続きます。山間部を延々と走って集落に着き、もう終わりかと思いきや、さらにまた山へ向かって立派な道が伸びている。そんな事の繰り返し。走り続けてヘトヘトに。いったいどこまで伸びているんだろう?

そんな距離の長い農道ですが、上越の山並みに囲まれ、山峡の地に棚田が広がる風景はとても個性的で美しく、飽きることなく走ることができました。この日は曇で見えませんでしたが、晴れていれば妙高山をバックに棚田が広がる美しい景色を見ることが出来るようです。


↑大ざっぱな道です。おおよその目安としてお使いください。


上越市の外れ、狭い山道を走って関川流域広域農道の始点にたどり着きました。 ここがスタート地点です。なお狭い道が嫌いという方は、この先で途中参加もOKです。 清里村まで23km。まずは関川流域広域農道を走ります。
のっけからいきなり天空の道が続いていました。向こうに見える山並みは、ブナ林で有名な鍋倉山です。 始点から2,3キロは1.5車線の狭路です。 人里離れた山奥ですが、そんな山峡の険しい斜面にも棚田が広がっているのに驚かされます。
数分走ると、道幅が広がります。 センターラインは消えてしまっていますが、道幅は広めの2車線。車は全然走っていません。 開放感ある道が続きます。
集落に降りてきました。 県道95号線との交差点です。こちらが「止れ」ですので、気をつけて。 集落を過ぎると、再び山へ向かって上昇開始!
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誰も走っていません。気持ちの良いワインディングロードを独り占め。 県道198に突き当たったところで、関川流域農道は終点となります。 近くの坊が池に寄り道してみました。
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関川流域広域農道と東頚城広域農道は直線距離にして3キロ程離れていて、間にはこんな狭路しかありません。 でも交通量の少なさから言って、この程度の道幅で十分だと思います。広域農道の幅員7mは無駄かと。 東頚城広域農道に入りました。私はここで左折して暫らく迷ってしまいました。正解は右です。
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この辺りはツーリングマップルでも明確に描かれていないのですが、ちゃんと2車線の道が繋がっていました。 受益面積を増やす為か道はことさら曲がりくねっています。そんな道をわざわざ走る人が多いはずも無く、道はガラガラ。 こんな山の高いところにまで棚田が!素晴らしい風景が続きます。この日はほとんど曇りだったので、写真はイマイチですが。
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広域農道のハイライト区間は、東頚城広域農道の安塚〜大島だと思います。 六夜山の山頂直下を走る峠越えのダイナミックな道です。 国道253号に突き当たると終点です。国道に入ってトンネルを抜ければ十日町。温泉で有名な松之山もすぐ近く。ずいぶん遠くまで走って来たものです。帰りどうしよう。松之山温泉入っていこうかな。

さて、関川流域広域農道+東頚城広域農道ですが、利用車はほとんど見かけませんでした。多分、この日に始点から終点まで通しで走ったのは私一人だったと思います。

農家が近所の田んぼまで往復するだけだったら、こんな立派な道は不要でしょう。交通量が二桁くらい多そうな近隣の国道や県道が狭いままだったりするのも変な話です。結局、ウルグアイラウンド対策費を使うために作ったというのが、この道を建設した本当の理由なのしょう。あと数年したら藪に覆われてしまうかもしれません。

☆このルートをたどろうという人へのアドバイス

広域農道にしては比較的ルートをたどりやすいと思います。T字路に突き当たっても、左折ないし右折して数百メートル走ると、広域農道の続きを見つけることができました。

例えば、上の写真はR403との交差点ですが、広域農道が右か左かは表示されていません。正解は右です。

右折してR403を数百メートル走ると、再び農道の看板が出てきます。

こんな感じで標識が完全ではないので、それなりにルートファインディングが必要です。出来れば大判の最新版マップルを持参した方がいいと思います。地図を片手に道探しというのも、この道の楽しみの一つだと思います。

なお関川流域広域農道と東頚城広域農道は直接繋がってはいません。あぜ道を舗装したような狭路で結ばれていますが、この区間は一旦平野部まで降りて、県道184号線で繋いだ方が楽だと思います。

☆B級注意!

誤解→失望される方がいると悲しいので念の為申し上げておきますが、あくまでこの道はB級道路です。草津志賀道路とか、ビーナスラインのようなダイナミックな風景が展開する訳でもなく、また観光施設が整備されている訳でもありません。いやまあ「広域農道うるおい施設」なるものは各所にありますが・・・。

子供の頃、チャリで田園や山道を駈けて知らない場所まで行った、そんな気持ちを思い出して走って欲しい、そんな道です。

結局、この日は来た道を戻ることにしました。夕暮れの田園風景をみながら、誰も居ない道をひたすら走りました。

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